コラム
気ままに猫ぐらし 其の九
家出!?脱走?!
イールーが拙宅にやってきたのは、10年前の5月のことでございます。
まだ生後5か月くらいだったので、部屋の中で自由にさせるのはまだまだ早いと思い、しばらくは大きなケージの中で過ごしてもらいました。ケージの外で過ごすようになったのは、それから3か月ほど後のことです。部屋の中にもだいぶ慣れてきて、私も少しほっとしておりました。そんな「慣れ」と「油断」が招いた事故でございます。

怖がって外には出ないだろうとタカをくくっていた私は、なんの躊躇もせず、玄関のドアを開けたのです。すると、どこからともなく「とととと」と、イールーがやってきて、す~っとドアから外へ出てしまったのです。焦って追いかけましたが、階段を下りて一階の住人の敷地内にある物置小屋の下に潜り込んでしまいました。オロオロしながらも、猫じゃらしやおやつ用の煮干しを持ってきて、おびき寄せようと必死にイールーの名前を呼ぶ私。しばらくじっとしていましたが、少し猫じゃらしに反応してくれて、近づいてくれたので、ガシッとカラダをつかんで引きずり出し、胸に抱え込みました。少しパニック状態になったイールーは、私の手の甲を思いっきり引っ掻いたので、10センチほどの長さの傷がくっきりと描かれたのでございます。なぜか、1本だけ…。

遠くに行かなくてよかった、すぐに捕まえられてよかった、と本当に心から安堵した記憶がございます。ことほどさように「にゃんこの脱走」は、飼い主の油断が招くものなのです。それ以来、透明パネルでできたペットフェンスを玄関に置き、玄関のたたきにさえ降りられないようにいたしました。ギージーを迎えてからは、それまで取っ払っていたキッチンと居間の間の引き戸を再設置したので、現在はベランダに出るサッシのところにペットフェンスを置いております。

ギージーはビビりなので、おそらく玄関から外には出ないと思いますが、もう二度と、あんな思いはしたくありません。しかし、いくら気を付けていたとしても、いつなんどき「にゃんこ大脱走」に見舞われるかわかりません。そのときは、まずは半径10メートル以内を徹底的に探すのがよいといいます。万が一、1日経過しても見つからなかったら、地元の行政機関などに届け出をするようにいたしましょう。「ペット探偵」なるサービスを利用してもよいかもしれません。いずれにせよ、常日頃から脱走対策をしておくことが、愛猫家の務めと言えましょう。
猫山ぎん 拝
