コラム
気ままに猫ぐらし 其の十
にゃんこを愛した9500年前の男
もう10年以上前の話ではありますが、にゃんこの「ペット歴」をグンッと遡らせることとなった発見がありました。それは、地中海のキプロス島で発見された、にゃんこの骨です。

約9500年前のお墓から発見されたこの骨は、30歳くらいの男性と一緒に埋葬されていたそうです。にゃんこの年齢はわかりませんが、骨の形が乱れていないので、亡くなった後、すぐに埋められたのではないかと言われています。その骨は、男性の足元にあったそうです。種類は、現在のにゃんこよりも一回り大きい、アフリカヤマネコに近いものだそう。それまで、にゃんこがペットとして飼われ始めたのは約4000年前とされていましたが、この骨の発見によって、いっきに5000年以上、遡ったわけです。

考えても仕方ないことではありますが、どんな状況からこうした埋葬になったのか、ついつい想像してしまいました。このにゃんこが亡くなってすぐに埋葬されたということは、一緒に埋葬されていた男性も、同じタイミングで命尽きたのでしょうか。としたら、日頃からこの男性が、ことのほかにゃんこを可愛がっている姿を見ていた周りの人が、男性を気遣って、一緒に埋葬したのかもしれません。それとも、にゃんこを埋葬したのはこの男性で、自身の命が尽きたとき、にゃんこの近くに埋めてほしいと言い残して亡くなった…。その遺言どおり、周りの人が後から男性を埋葬したのかもしれない…。
いずれにしても、この男性はひとりのにゃんこを心から慈しんでいた…と信じております。
さて、話は私事になりますが、拙宅には、最初に一緒に暮らしたにゃんこのお骨が、まだあります。そして、いつかはイールー、ギージーとのお別れがやってきます。骨壺が3つになっても、そばに置いておきたいとは思いますが、そのうち私自身にも、天からお迎えがまいります。小さな骨壺を残したままこの世を去るのは、なんとも無念でございます。そこで、ぼんやりと考えているのは、よきタイミングで、すべて粉にしておく、という方法です。さすれば、私が天に召されたとき、私の遺骨と一緒に埋葬していただくのも可能ではないかと考えている次第です。

ああ、イールーとギージーとのお別れなど、考えたくない…!しかし、いつか必ずその日はやってくるのです。その日まで、惜しみなく愛おしみ、愛でて、幸福に満ちた猫生をお送りいただけるよう、尽くしたいと存じます。
猫山ぎん 拝
